いつも音楽といっしょ

音楽といっしょに成長した自分を振り返ります。

■いつも音楽といっしょ(あした天気になれ(中島みゆき))■

◆「愛が好きです」は、韻をふんでいたのですね(m131)◆
◎収録アルバム:臨月

 

♪「愛が好きです」は、韻をふんでいたのですね。
・2番の「愛が好きです」の歌詞。「抽象的だな~」「愛の対象は何かな~」と思いつつ、当時は聞き流していました。今回、歌詞を読み返して「韻をふむ為の歌詞だ」と、断定(?)しました。(随分遅いですが)

 

♪「韻を踏む」とは?

・「韻を踏む」とは、詩などで発音が似ている言葉を一定の位置に配置して、読む時にリズムを作ることです。
・日本はともかく、外国の詩では「韻を踏む」事は詩作上、とても重要なテクニックとなっています。「愛が好きです」は「あめ」「あい」の一文字違いで、韻をふもうとして生まれた歌詞だったのですね。

 

♪「絶望的観測」は、この曲のキーワードですね。
・『あした天気になれ』は、シニカル(冷笑的・嘲笑的)な言葉の羅列でできた歌詞です。1番の「絶望的観測」という歌詞が、この曲全体を象徴するキーワードだと考えられます。

・世間一般でも認知されている「希望的観測」という言葉に対して「絶望的観測」という言葉、私はこの曲で初めて聞きました。

 

♪シニカルさを増幅する対比表現

・「雨が好きです」←→『あした天気になれ』と「愛が好きです」←→「あした孤独になれ」は、対比表現ですね。
・真逆な事を言って、シニカルさを増幅する為の対比表現だと考えられます。

 

♪「希望的観測」による、励ましの対比表現

・「雨が好きです」←→『あした天気になれ』の雨=涙と考えると「泣いて泣いて、一晩中泣いて、晴れを待って、踏ん切りをつけろ」と「希望的観測」による、励ましの対比表現ではないでしょうか。

 

♪この羅列シニカル、中島みゆきの才能、恐るべし

・「夢に破れて あてにはずれて」→「泣いてばかりじゃ いやになります」…
「(宝くじに)外れた時は当たり前だと」→「こんなものさと 思っていなけらゃ 泣けてきます」…
・『あした天気になれ』は、アルバム「臨月」の軽快な1曲目です。この頃、私は人生・社会の厳しさも知らない大学生、この曲のシニカルさに酔っておりました。しかし、この羅列シニカル。中島みゆきの才能、恐るべしですね。

・ニッコリ笑ったみゆきさんも、素敵ですね~。


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・あした天気になれ(3分43秒)
・歌謡曲風に歌う柏原芳恵と、ギンギンのエレキとのアンマッチが独特の歌です。
・作詞・作曲:中島みゆき 歌:柏原芳恵