◆「ヨノナカバカナノヨ」(m115)◆
♪「ヨノナカバカナノヨ」
TVドラマ「ムー一族」の挿入歌『世迷い言』の決め文句。「♪上から読んでも下から読んでもヨノナカバカナノヨ」。作詞の阿久悠さんは、この逆さ言葉(回文)を、思いついたのか?どこかで聞いたのか?答えは、このドラマのプロデューサー久世光彦氏からの注文だったそうです。阿久悠さんは「作詞の方向性等の注文はあるが、具体的な言葉の注文は初めてだった」と語っています。
♪「蜜柑をむく指黄色く染まる 忘れたマニキュアはがれて落ちる」
演歌と歌謡曲のハーフのようなこの曲を歌ったのは、あの日吉ミミでした。「♪恋人に ふられたの よくある話じゃないか~」(「男と女のお話」)の、特徴のある声と歌い方の日吉ミミです。日吉ミミの指定は、久世光彦氏のアイデアだったそうですが、さすが向田邦子と組んで、たくさんのヒットTVドラマを生み出した久世氏のアイデアはピカイチですネ。
♪「とてもあんたにゃついて行けないと 無理して笑えば出るくしゃみ」
・日吉ミミの『世迷い言』。イントロはインド楽器「タブラー」の連打から始まるとても面白い編曲です。そして日吉ミミの歌唱は、期待を裏切りません。この曲でも、ヒット曲「男と女のお話」の声と歌い方で独自の世界を作り上げています。
・中島みゆきの歌を飲み込んで、完全に消化して歌っていると思います。この歌詞、メロディーに日吉ミミの歌、ドンピシャとマッチして、アタリメをアテに、熱燗でも飲みたくなります。
♪「いやなくせだよ せいせいしている筈なのに 背中を寒気は駆け抜ける」
私は『世迷い言』の歌詞の世界とメロディーが大好きなのです。歌詞の「男にふられた後は、きまって風邪をひく女」と、中島みゆきの少しけだるいようなメロディーに、いつも何かホッとしたものを感じる私です。歌詞には出てきませんが、この女性は下町の料理屋かスナックの色っぽいママさんだと、勝手に想像しております。
♪「真夜中 世の中 世迷い言」
・中島みゆき6作目、初めてのセルフカバー・アルバム「おかえりなさい」。「あばよ(研 ナオコ)」「しあわせ芝居(桜田 淳子)」「この空を飛べたら(加藤 登紀子)」『世迷い言(日吉ミミ)』「追いかけてヨコハマ(桜田 淳子)」…など、ヒット曲が詰まったアルバムです。
・さすが、ヤマハの4代目社長・川上源一にその才能を認められた中島みゆき。自作も素晴らしいですが、提供曲にも手を抜かず、ヒットさせる中島みゆきのオールマイティーな才能は、抜群ですね。
・世迷い言(4分01秒)
・中島みゆきの歌を飲み込んで、完全に消化して歌っている日吉ミミの歌唱です。
・作詞:阿久悠 作曲:中島みゆき 歌:日吉ミミ