いつも音楽といっしょ

音楽といっしょに成長した自分を振り返ります。

◆いつも音楽といっしょ<あいつ>(m083)

■先に逝った親友、二人のS君(高校生編 3 of 4)

 

♪山で死んだR・S

・やっと大学に合格し、山岳部に入った親友のR・S君はその嬉しさを手紙に書いてきました。そして「夏休みになったら会おうな」と言い交わしていました。

 

・R・S君とは高校になって知り合い、自宅へ行っては「音楽」「山」「女の子」「漢詩」などの話で、時を忘れて話をしたものでした。「沖縄に遊び来いよ」と言うと「行く、行く」と、言っていました。

 

・「R・S君が山で滑落事故で死んだ」と、高校の友人が知らせてきました。私は、すぐにはその言葉を信じきれず、告別式に向かいました。自宅で行われた告別式には、高校の仲間がたくさん集まり、別れを惜しみ、長い列を作りました。

 

♪ガンで死んだT・S

・T・S君は、中学のブラスバンド部からの親友でした。有名な車の会社に入り、結婚、子供二人、マイホームと、とても順調な人生を歩んでいると、羨ましく思っていました。

 

・「会いたい」と連絡すると「その日しか不動産屋が来れないから、無理」と断わられました。私は、会えない残念さと「何で不動産屋なのかな?」と思いました。(どうも、重なった出費などで、家の処分を相談していたようです。)仕事に忙殺されている時期に、T・S君がすい臓ガンで死んだ事を知りました。そして、離婚をしていた事もわかりました。

 

・T・S君は、病床でお母さんに「あいつも忙しいだろうから、連絡しなくていいよ」と言っていたそうです。私は、T・S君の性格からして「こんな姿を見られたくないと思った」のかとも考えましたが「連絡して欲しかった、死ぬ前に一目会いたかった」と、今でも思っています。

 

・「何故、あんないい奴が、離婚、ガンというダブルパンチで死ななければいけないのか?」。T・S君の音楽を語る時の笑顔、私の一言に冗談で返す時の得意顔、頬を吹くらませてチューバを吹く顔を思い出すと、目尻が熱くなります。

 

♪死んだ親友に送る歌⇒「借夢(しゃむ)」

・「いい奴ほど、早死にする」。二人のS君は、私にとっては「いい奴」であり「数少ない親友」でした。二人との思い出は数限りなくありますが、もう二人はこの世にはいません。

 

・二人を歌った歌に「借夢(しゃむ)」があります。「お前の夢を貸しておけ」「俺とお前の夢のいいとこ取りで、俺が夢をかなえるからな」という内容の歌です。歌詞の「夢の途中 滑り落ちたお前」とは、R・S君の事です。時々この歌が無性に聞きたくなり、若くて、青かった高校時代の二人のS君の姿を、懐かしく思い出すのでした。

 

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・「山でふかれゃよ~若後家さんだよ~」山登りは命がけなのですね。


伊勢正三 WITH 石川鷹彦 あいつ

・あいつ(3分42秒)
・山に惚れて、山で死んだあいつ、残された者の悲しみはいつまでも癒えません。
・作詞・作曲:伊勢正三(元かぐや姫) 


58_借夢(しゃむ)【歌唱版】

・借夢(6分23秒)
・先に逝ってしまった親友の顔を思い出し「今、お前がいてくれたら」と、叶わぬ思いを歌います。
・作詞・作曲:南風まさひこ