いつも音楽といっしょ

音楽といっしょに成長した自分を振り返ります。

■いつも音楽といっしょ(エリナー・リグビー(ビートルズ))■

◆「すべての孤独な人々」とは誰の事(m122)◆
◎収録アルバム: リボルバー
◎アニメ「イエローサブマリン」の挿入歌

♪『エリナー・リグビー』の歌詞

すべての孤独な人々をごらん すべての孤独な人々をごらん

『エリナー・リグビー』は結婚式のあとの教会で 床に落ちた米を拾う 夢の世界に生きているんだ
 
窓辺で待っている 壺に隠していた仮面をかぶり 誰を待っているのだろう

この孤独な人々はどこから来るのだろう? この孤独な人々に安住の地はあるのだろうか?

 

◎『エリナー・リグビー』考4点◎

♪その1<曲名の由来>
・「エリナー」: 映画「ヘルプ!」で共演した女優エリナー・ブロンの姓から借用
・「リグビー」: ブリストルで見かけた会社の名前から思いついたとの事
・『エリナー・リグビー』の墓: 1980年代に、セント・ピーターズ教会で「エリナー・リグビー」の墓が発見されましたが、ポールは「エリナー・リグビーは、架空の人物である」として、曲との関係を否定しています。尚、セント・ピーターズ教会は、レノンとマッカートニーが初めて出会った場所でもあります。

 


♪その2<「すべての孤独な人々」は三人称>
・「ミスター・ロンリー」(ボビー・ヴィントン)「ロンリー・ハート」「ロンリー・ナイト」などは、自分の気持ち(一人称)です。『エリナー・リグビー』の「すべての孤独な人々」(all the lonely people)は、三人称であり、この曲の幅を広げています。私は、この三人称の発想に、ポールの並々ならぬ才能を感じます。

 

 

♪その3<「すべての孤独な人々」とは誰の事>
・「市井の人々の孤独な心」「寄る辺のない孤独な老人」「思春期などに強く感じる孤独感」などと考えられています。この曲を聞いて「すべての孤独な人々」に、自分が含まれると感じる人も多いのではないでしょうか。人類不変のテーマ「人生と孤独」を『エリナー・リグビー』は、音楽という形で表現した素晴らしい作品です。

 

 

♪その4<ポールの歌の「ロンリー」という言葉>
・ポールは『エリナー・リグビー』以外にも「ひとりぼっちのロンリー・ナイト」「ロンリー・オールド・ピープル」など、曲名や歌詞で、「ロンリー」という言葉を使っています。
・ポール自身は「自分は陽気で楽天的な性格」と分析していますが、ミュージシャンとして、世界的な成功をおさめ「巨大な富と名声」を得たポールにも、時に心寒々とした「ロンリー体験」もあったのだろうと考えられます。その体験を素晴らしい音楽に昇華できるのは、やはりポールの偉大な才能のなせる技ですね。

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・「エリナー・リグビー」のEPレコード。イエロー・サブマリンとカップリングです。


www.youtube.com

・エリナー・リグビー(2分11秒)
・アニメ「イエロー・サブマリン」の、エリナー・リグビー挿入部分の映像です。
・作詞・作曲:レノン=マッカートニー 歌:ビートルズ