◆一度聞いただけで歌詞もメロディーを覚えてしまう曲(m148)◆
◎収録アルバム: 普久原恒男の世界 等(カバー・バージョン多数有)
♪『芭蕉布』の歌詞<1>
海の青さに 空の青
南の風に 緑葉(みどりば)の
芭蕉は情に 手を招く
常夏の国
我(わ)した島沖縄(うちなー)
♪芭蕉布とは
バショウ科の多年草 糸芭蕉で織った、薄くて軽く、肌にまとわりつきにくく、涼感を得られる平織りの布です。一反織り上げるのに二百本の糸芭蕉と、二カ月という期間を要する為、現在では高級反物に位置付けられています。沖縄県および奄美群島の特産品で、琉球王朝時代には租税品となっていました。
♪一度聞いただけで覚えてしまう曲
「海の青さに 空の青 南の風に 緑葉の…」一度聞いただけで、誰もが「いい曲だな~」と思い、歌詞もメロディーを覚えてしまう曲はそう多くはありませんが、私は『芭蕉布』は、そんな一曲かと思っています。
♪全国区の歌となった『芭蕉布』
『芭蕉布』は、作詞:吉川安一、作曲:普久原恒男(ふくはらつねお)により、昭和四十年(1965年)に発表されました。当初は琉球放送のホームソングとして愛唱されましたが、その後、NHK名曲アルバムで放送され、全国区となりました。
♪作曲家、普久原恒男<1>プロフィール
・普久原恒男は、戦後沖縄を代表する作曲家の一人で、その作品は「普久原メロディー」と呼ばれ、沖縄県内外で親しまれています。
・普久原恒男は、沖縄音楽のレーベル、マルフクレコードを設立した(1926年)普久原朝喜(ちょうき)を、養父として育ちました(実父は朝喜の弟・朝山)。マルフクレコードでは、ディレクター兼音楽家として「芭蕉布」などのヒット曲を生み出し、レーベルの繁栄に大きく寄与しました。
♪『芭蕉布』の歌詞<2>
首里の古城の 石だたみ
昔を偲(しの)ぶ かたほとり
実れる芭蕉 熟れていた
緑葉の下
我した島沖縄
♪古都首里と琉球大学
・喧騒の那覇から坂道をずーと上って首里の街へ。静かな古都は、流れる風さえゆっくりと感じられ、安らかな心持ちになれる街です。
・沖縄戦で焼失した首里城の跡地に琉球大学が建てられました。広くはありませんでしたが、歩けば必ず知り合いに会う、ほのぼのとしたキャンパスでした。授業を受ける為、首里の坂を上る若い自分の姿を思い出します。
・芭蕉布(3分54秒)
・歌唱力のある石嶺聡子の芭蕉布は、天下一品ですネ。羽田さんのピアノも素晴らしいです。
・作詞:吉川安一 作曲:普久原恒男 歌:石嶺聡子 ピアノ:羽田 健太郎