◆青年のツッコミに、おじさんがボケる「ノリ」の良い歌(m129)◆
◎収録アルバム: 喜納昌吉&チャンプルーズ
♪『ハイサイおじさん』は、ボケとツッコミ
・『ハイサイおじさん』は、青年(以下、青)とおじさん(以下、お)の対話形式の歌です。
・青年のツッコミに、おじさんがボケるという、漫才的な要素もあります。
・「ハイサイ」は、挨拶言葉で「沖縄のアロハ」と言う人もいます。
♪『ハイサイおじさん』(3番)の歌詞
青)ハイサイおじさん ハイサイおじさん <ハイサイおじさん ハイサイおじさん>
おじさんカンパチ まぎさよい <おじさんカンパチ まぎさよい>
みーみじカンパチ 台湾はぎ <みーみじカンパチ たいわんはぎ>
お)ありあり童 いぇー童 <ありありわらばー いぇーわらばー>
頭んはぎとし 出来やーど <ちぶるんはぎとし でぃきやーど>
我ったー元祖ん むる出来やー <わったーぐゎんすんん むるでぃきやー>
青)あんせおじさん 我んにん整形しみやーい <あんせおじさん わんにんせいけいしみやーい>
あまくまカンパチ 植いゆがや <あまくまカンパチ いいゆがや>
♪『ハイサイおじさん』(3番)の大意
青)こんにちはおじさん
おじさんのハゲは大きいネ!
ミミズハゲに 台湾ハゲ!
お)おいおい小僧 やい小僧
ハゲ頭は優秀なんだゾ~
祖先もみんな優秀なんだゾ~
青)それならおじさん 俺も整形して
あちこちハゲを植えようかな~
♪以下
・「おじさん、昨日のお酒が残っていたら、ちょうだいヨ~」(1番)から始まり
「おじさんのヒゲは、天井のネズミのようだね」(4番)、そして「年頃になったので、おじさんの娘さんをお嫁にちょうだいヨ~」(2番)と、青年がツッコミ、おじさんが軽妙にボケて突っぱねる歌が楽しく続きます。
♪喜納昌吉が高校生の時、授業中に作った曲
・喜納昌吉は「通い船」の沖縄民謡歌手 喜納昌永の息子です。『ハイサイおじさん』(1969年発売)は、何と!喜納昌吉が高校生の時、授業中に作った曲との事です。発売当初「歌詞が下品だ」と沖縄民謡界では物議をかもしだし、ヒットには結びつきませんでした。
・逆に本土では、伝説のロックバンド「はっぴいえんど」の細野晴臣を驚かせ、久保田麻琴は、カバーバージョンも作り、この曲の評価が少しずつ高まってゆきました。最近では、志村けんが『ハイサイおじさん』ならぬ「ヘンなおじさん」と、歌いながら踊っています。
♪ハイサイおじさんにはモデルがいた
・「ハイサイおじさんにはモデルがいた」と、喜納昌吉は本に書いています。その人は、戦前は校長まで勤めた上げた人ですが、戦後おかしくなり、家庭も崩壊、酒びたりとなったおじさんでした。喜納昌吉は、よく喜納家にも遊びに来ていたそのおじさんの話相手となり、その会話をベースに『ハイサイおじさん』が生まれたと書いています。
♪「ノリ」の良さ⇒「沖縄に喜納昌吉あり!」
・『ハイサイおじさん』は「歌詞は沖縄方言」「メロディーは沖縄音階」で、ローカル色の強い曲ですが、前述の細野・久保田達を驚かせたのは、その「ノリ」でした。
・この曲のジャマイカのスカ様な「ノリ」の良さに「沖縄に喜納昌吉あり!」の評価となり、ヒットに繋がってゆきました。今でも沖縄の歌というと『ハイサイおじさん』の名前が上がるのは、この心底明るい「ノリ」をまた聞きたくなるからではないでしょうか。
・ハイサイおじさん(3分16秒)
・いつ聞いても「ウキウキ気分」させてくれる、嬉しい歌です。
・作詞・作曲:喜納昌吉 歌:喜納昌吉&チャンプルーズ