◆口笛から始まる名曲と言ったら(m118)◆
私は、口笛から始まる名曲と言ったら、まずビリー・ジョエルの『ストレンジャー』を思い出します。一度聞いたら忘れられない口笛のメロディー。ジャジィーなピアノの伴奏。孤独な『ストレンジャー』が、一人口笛を吹きながら夜の街角を歩くイメージが、ダイレクトに伝わってくるイントロです。
♪最初は口笛のなかった『ストレンジャー』
このイントロをビリー・ジョエルは、口笛で作曲しましたが、録音時はインストルメンタルのみを想定したそうです。プロデューサーのフィル・ラモーンがインストルメンタルの案をやめ、代わりに口笛を吹くようにビリーに説得した結果、この素晴らしい口笛のイントロが生まれたそうです。
♪日本でのビリー・ジョエルのブレークはアルバム『ストレンジャー』から
日本でのビリー・ジョエルのブレークは、この5枚目のアルバム『ストレンジャー』の大ヒットからでした。グラミー賞を受賞した「素顔のままで」、アコースティック・バラードの「シーズ・オールウェイズ・ア・ウーマン」、ブロードウェイミュージカルの題材となった「ムーヴィン・アウト」など、名曲揃いのデキのいいアルバムです。「ムービィン・アウト」の最後のバイクの発進音。バイクに乗る私は、この曲と発進音に、いつも開放感とワクワク感を思い出しました。
♪名曲「オネスティー」、アルバム「グラス・ハウス」のヒットとバイク事故
その後、名曲「オネスティー」や7枚目のアルバム「グラス・ハウス」等、連発してヒットを飛ばしました。8作目のアルバム「ナイロン・カーテン」の制作中にバイク事故を起こし、左手首に1か月の重傷を負い、アルバムの制作は中断されました。私はこのニュースを聞いた時、「左手首の怪我がビリー・ジョエルの作曲に影響しなければ良いが」と、とても心配になった事を思い出します。
♪ビリー・ジョエルの音楽は「ニューヨークの音」「都会のセンス」
私は、ビリー・ジョエルの音楽に「ニューヨークの音」「都会のセンス」を感じます。それは、同じニューヨーク出身のサイモン&ガーファンクルに感じるものと似ています。「人種のるつぼ」のアメリカの象徴のニューヨークは、独特の文化と音楽を生み出す下地があふれる土地なのかもしれません。「ニューヨークの音」「都会のセンス」は、メロディーやコード進行だけでなく、フィーリングや匂いなのかもしれません。
・ストレンジャー(5分02秒)
・ビリー・ジョエルとプロデューサーのフィル・ラモーンが生み出した名曲です。
・作詞・作曲:ビリー・ジョエル 歌:ビリー・ジョエル