◆昭和の歌手の「歌にたいする真摯な思い」(m139)◆
◎収録アルバム:「藤山一郎全集」等
♪『丘をこえて』の歌詞
丘を越えて 行こうよ
真澄の空は 朗らかに晴れて
楽しい心 鳴るは胸の血潮よ
讃えよ わが青春(はる)を
いざゆけ 遥か希望の 丘を越えて
♪藤山一郎さんが歌う『丘をこえて』
聞いても、歌っても楽しくなる『丘をこえて』。「ナツメロ特集」で、藤山一郎さんが体いっぱいに歌いきるの姿はとても素敵です。私はそこに昭和の歌手の「歌にたいする真摯な思い」を感じます。
♪「歌にたいする真摯な思い」とは?
それは「歌への思い入れの純度」の違いかと思います。現代の歌手の純度が低いという意味ではなく、質の違いであり、極端に言うと「歌に命がけ」の度合いの違いかもしれません。
♪美空ひばりの「酒は涙か溜息か」
「酒は涙か溜息か」を歌う美空ひばりは、必ず泣きました。「昭和の歌姫」と言われながら、実生活では不幸な結婚等、決して恵まれなかった女性。日本人は、彼女の「歌に命がけ」の姿に「演出効果」などと勘ぐらずに、もらい泣きをしました。
♪楽しかったハイキングの思い出
作曲の古賀政男は、福岡県柳川市(やながわし)の出身です。この歌は、明治大学在学中にマンドリンクラブの仲間と行ったハイキングから生まれました。その夜、楽しかったハイキングの思い出と、もう学生時代も終わるという感傷の中、湧き出たメロディーが『丘をこえて』でした。何と曲が先で、歌詞は後からだったんですネ。
・丘をこえて(2分15秒)
・「丘のむこうには希望が待っている」と勇気づけられる歌です。
・作詞:島田芳文 作曲:古賀政男 歌:藤山一郎