いつも音楽といっしょ

音楽といっしょに成長した自分を振り返ります。

■いつも音楽といっしょ(ムーチーのころ(普久原恒男))■

◆ほほを真赤に染めながら サンニン取りに行きました(m150)◆

◎収録アルバム: 普久原恒男の世界 等


♪『ムーチーのころ』の歌詞
月桃(げっとう)の葉末(はずえ) ふるわせて
ムーチービーサの 風がふく
ほほを真赤に 染めながら
サンニン取りに 行きました 


♪ムーチーとは?
・ムーチー(餅)とは、旧暦の12月8日(新暦の1月下旬から2月上旬)に、健康・長寿の祈願の縁起物として食べる沖縄のお菓子の事です。餅粉をこね、白糖や黒糖、紅芋などで味付けを行い、月桃(サンニン)の葉で巻き、蒸して作ります。

・「ムーチー」「カーサムーチー」「鬼餅(オニムーチー)」「チカラムーチー」などの呼び方があります。沖縄で最も寒い「ムーチー」を作る頃の寒さを、ムーチービーサ(ムーチー寒さ)と言います。

 

♪ムーチーの種類<色は七色以上>
・昔のムーチーは、白色(プレーン)と茶色(黒糖)の2種類くらいでしたが、今ではいろいろな種類と色のムーチーがあります。

・紫色(紅芋)、緑色(ヨモギ)、黄色(かぼちゃ)、黄色(ウコン)、赤色(にんじん)、茶色(味噌)、チョコレート色(チョコレート)などの種類があり、更に「小豆」や「チョコチップ」を入れた歯応えのあるムーチーもあります。

 

♪鬼となった兄を退治した妹の話<「鬼餅(オニムーチー)」の民話>
・昔、首里から大里(おおざと)に移り住んだ男が、夜な夜な鬼になって人畜を襲うという噂が立ちました。心配になり、家を訪ねた妹に、男は「肉汁を食べてゆけ」と勧めました。妹が鍋の中を覗くと、何と人間の子供が煮てあり、噂が本当である事がわかりました。

・何とか男の家から抜け出した妹は、二種類のムーチーを作って、再び兄の家を訪ねました。二種類のムーチーの内、一つは鉄釘入りでした。兄を「景色の良い所で食べましょう」と崖の上に誘い出し、自分は普通のムーチー、兄には鉄釘入りムーチーを食べさせました。

・鉄釘入りのムーチーを食べて弱った兄に、妹は着物のすそを広げました。兄は「お前は口が二つもあるのか」と尋ねたので、妹は「上の口はムーチーを食べる口、下の口は鬼を食べる口」と答えました。それを聞いた兄は驚きの余り、崖から落ちて死んでしまいました。鬼退治にムーチーが使われたことから「鬼餅(オニムーチー)」と呼ばれるようになったという民話です。

 

♪作曲家、普久原恒男<3>特徴(その1)
・特徴1:「覚えやすく」「歌いやすい」歌を作る作曲家

NHKの朝ドラ「ちむどんどん」で歌われた「娘ジントーヨー」や、代表作の「芭蕉布」もとても「覚えやすい」メロディーです。歌詞に沖縄独特の言葉や表現がありますが、歌詞カードやカラオケを使えば、すぐに歌える「歌いやすい」メロディーが特徴です。

・特徴2:沖縄の歌・音楽にこだわった作曲家
芭蕉布」は、沖縄の伝統音楽にはない三拍子のリズムですが、クラシック音楽も学んだ普久原恒男だからこそ発想できた、沖縄の新しい歌と考えられます。沖縄方言による「丘の一本松」「肝がなさ節」「遊び仲風」などは、沖縄の伝統音楽をベースにしながら、より親しみやすく現代風に仕上げています。

 

♪掲載した歌について
・ユーチューブに「ムーチーのころ」の音源がなかったので、映画『GAMA 月桃の花』の主題歌となった海勢頭 豊(うみせど ゆたか)作詞・作曲の「月桃」を掲載しました。

・この歌は、沖縄戦の悲しみを「月桃」を題材にして歌われる海勢頭 豊の名曲です。尚、映像にある戦没者の名前が彫られている黒い石は、沖縄県摩文仁(まぶに)ある「平和の礎(いしじ)」です。また、沖縄県では毎年6月23日を「慰霊の日」とし、沖縄戦戦没者を悼む日と定めています。

・紫色(紅芋)のムーチーです。最近、人気のムーチーです。おいしそ~う!


www.youtube.com

月桃(3分56秒)
沖縄戦の悲しみを「月桃」を題材にして歌った名曲です。
・作詞・作曲:海勢頭 豊(うみせど ゆたか)