いつも音楽といっしょ

音楽といっしょに成長した自分を振り返ります。

◆いつも音楽といっしょ<跳べ!きじむなあ>(m094)

■『きじむなあ物語』BGM作成(社会人編 5 of 12) 

 

♪中村透先生からBGM作成の連絡あり!

・中村透先生から「『きじむなあ物語』のBGMをつけてみないか」という連絡をいただきました。先生は「劇のBGM作成」というチャンスを、私にくださったのでした。

 

♪船越義彰先生の『きじむなあ物語』

・『きじむなあ物語』は「山之口獏賞」を受賞した、船越義彰先生の素晴らしい作品で「きじむなあの生活」「人間に恋するきじむなあ」「沖縄戦で人間を助けようとして、傷つき死んでゆくきじむなあ」など「きじむなあファンタジー」でありながら、沖縄戦の悲しみなども含む、深い内容の作品となっていました。ちなみに「山之口獏」は沖縄出身の詩人で、その詩は、高田渡の「生活の柄 」でも使われています。

 

・『きじむなあ物語』の中で描かれている「きじむなあ」は「赤い顔」(アカジラー)、「ちびすけ」(グマーチュ)、「赤い髪」(アカガンター)、「妖怪」(ムンヌキ)という、あまりお友達にはなりたくない容姿です。

 

・沖縄民話の「きじむなあ」には、不幸をもたらす「妖怪」として語られる場合と、人間に幸せをもたらす「木の妖精」として語られる場合があります。私は「きじむなあ」は、出会った人間の態度や行いにより「妖怪」にも「木の妖精」にもなるのではないかと、思います。

 

♪間好子おばーの一人芝居で『きじむなあ物語』

・今回の『きじむなあ物語』は、間好子おばーが、ウチナーグチ(沖縄方言)で語る一人芝居でした。私は、「かなしばり」「ウタキヌ カミヤ」「泣くなよ、きじむなあ」など合わせて10曲程を、BGM用に作曲しました。エンディングの「跳べ!きじむなあ(きじむなあの歌)」は、シュガーホールの少年少女合唱団に歌っていただきました。

 

♪私の創った音がホール中に鳴り響きましたが…

・『きじむなあ物語』は、沖縄の主要な劇場で公演されました。劇場のお客さんの入りは、五割から六割程度で、興行的には芳しくなく、プロダクションの方や中村透先生を喜ばせるような結果が出せず、BGM担当としては、とても残念でした。

 

・しかしながら「劇場に私の音楽が流れる」は、生まれて初めての体験でした。私は、ホール中に鳴り響く私の音に浸りながら、心から喜び、言葉に表せない程の感動が、体を駆け巡った事を覚えています。

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・BGMを担当させていただいた「きじむなあ物語」のCDジャケットです。


www.youtube.com

・跳べ!きじむなあ(きじむなあの歌)(2分13秒)
・「きじむなあ物語」のメイン・テーマ曲です。シュガーホール少年少女合唱団に歌っていただきました。
・作詞・作曲:南風まさひこ